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zoom RSS 映画の感想文 [858] 女の都

<<   作成日時 : 2015/08/25 21:14   >>

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【女の都】
原題:La citta delle donne
製作国:伊国、仏国
製作年:1980年
日本公開: 1981年12月
監督:Federico Fellini(フェデリコ・フェリーニ)
出演;Marcello Mastroianni(マルチェロ・マストロヤンニ )

===== あらすじ(途中まで) =====
 女好きなスナポラツは、列車で乗り合わせたセクシーな女性に誘われるまま、途中下車して森の中にぽつんと建つ屋敷へとやって来た。その内には大勢の女性がいて、ちょうどフェミニストの集会が開かれているところだった。
 男一人で紛れ込んだため、女たちから吊るし上げを受けそうになったスナポラツは、ドナテッラという謎の女性に助けられ、使用人のおばさんのオートバイで駅へ送ってもらうことになった。しかしおばさんは畑の中のビニールハウスへスナポラツを連れ込み、セックスを強要してきた。
 その場はおばさんの母に助けられるが、今度はパンク風の娘に車で送ってもらうことになった。しかし、やはりパンク風の仲間たちに追われることになり、スナポッラは必死になって一軒の屋敷に逃げ込んだ。
 そこはカッツォーネ(巨根)という好色な男の伏魔殿のようなところで、至るところに性的な装飾や道具が置かれていた。やがてカッツォーネの「一万人め」を記念するパーティーが始まるが、そこには何とスナポラツの妻やドナテッラまでもが出席していた。

===== 感想 =====

● エロ
 とにかく、女、女、女。とことんエロ。主役の男の行く先々、すべて女だらけ。しかも女の方が男より強かったりする。フェミニストの集会ではスナポラツはたじたじとなるばかりだし、畑ではおばさんに犯されそうになるし、夜の道ではジャンキー女どもに車でひき殺されそうになる。
 まるで男の桃源郷かハーレムか、あるいは悪夢かという、訳のわからない状況が次々と展開され、男が女に追い詰められていく。
 ほとんどストーリーに脈絡がなく、何か教訓的なメッセージがあるでもないく、その当時のフェリーニの女性に対する思いや妄想をごちゃごちゃごちゃと綴ったものという感じだ。こうした脈絡の無い流れに気分が浸れるかどうかで、この映画の感想はまったく異なるものになるだろうな。

● 皮肉
 もちろんフェミニズムへの理解なんぞはない。
 女性たちの集会場の壁には
   tutte le donne
   sono
   belle
   (すべての女性は美しい)
なんてスローガンが掲げられているけれど、むしろ「こんな集会をやる女なんて、ちっとも美しくないよな」と皮肉っているかのよう。
 まあ、素直に見ることが難しい映画だ。

● 霞み
 映像も全体的にぼんやり霞んだ感じ(実際にスモークを多用しているみたい)。きれいでもないし、はっとするようなアングルやカットの切り替えなどもない。カッツォーネ邸のエロ・グロもちょい悪趣味。最後の気球がちょびっと幻想的なようでもあり、誰もが見て楽しいのはここぐらいかな。
 全体的に映像から受ける印象は、監督やスタッフが子供のように楽しみながら映画を作っているというふうで、いわゆるメッセージ性などは感じない。

 ビジュアル的に見るものといえば、ドナテッラを演じた女優さんのビキニ姿ぐらいかも。思わず「いやらしい」と唸るほどボリュームたっぷりのグラマーで、映画のキャラとしては特筆ものだな。

● 休み
 主役のマルチェロ・マストロヤンニは惰性で演ってるような感じ。
 フェリーニも一回休みというか、かなり失速気味。
 ただし、フェリーニを精神分析ゴッコで理屈っぽく観るなら、後期の傑作ということになるらしいが、僕には関係ない。


〔補足〕
 『フェリーニの都』(1982年/監督:フェルッキオ・カストロヌオーヴォ)というドキュメンタリーにこの映画の撮影風景が収められている。
 列車の客室や嵐の寝室はむろんのこと、広い屋外であるはずの海水浴場までセットということがわかる。打ち寄せる波の仕掛けなど、先代の猿之助の歌舞伎風だな。
 また、フェリーニの得意技の一つは大勢のエキストラが雑然と登場する群衆シーンだけど、ハンド・マイクを使って演技指導する様子など、なかなか貴重な映像だ。

画像

Federico Fellini(フェリーニ)の映画の感想
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