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zoom RSS 映画の感想文 [1067] トレーニングデイ

<<   作成日時 : 2017/04/28 09:04   >>

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【トレーニングデイ】
原題:Training Day
製作国:米国
製作年:2001年
日本公開:2001年10月
監督:Antoine Fuqua(アントワーン・フークア)
出演:Denzel Washington(デンゼル・ワシントン), Ethan Hawke(イーサン・ホーク)

===== あらすじ(途中まで) =====
 ロス市警のジェイクは交通課から麻薬取締課に移り、初日の朝を迎えた。出世の道が開けたと妻と喜び合って家を出るが、一緒に組むことになったベテランのアロンゾ捜査官からは、あまり歓迎されていないようだった。
 アロンゾは、今日一日は訓練日だと言って車でパトロールを始めるものの、若者から取り上げた麻薬をジェイクに試させたり、情報屋ロジャーの家で酒を飲んだり、危険な地域に住む愛人サラの家で時間を過ごしたりと、不謹慎な態度を見せながら、麻薬捜査のためには羊ではなく狼になることが必要なのだとジェイクを説き伏せた。
 アロンゾは強引な方法で売人の元締の家を探し出し、偽の捜査令状で家宅捜査を行うが、何とその家の金を盗みだす始末だ。アロンゾには、数日前にラスベガスでロシアン・マフィアと問題を起こし、和解のために大金を必要としているという噂があった。

===== 感想 =====

● 重大ネタバレなので映画を観る前に見ちゃダメ
 今回はすさまじいネタバレ。
 おバカな僕が、完璧にトンチンカンに映画を観てしまったからだ。

● 訓練日
 映画の序盤、アロンゾがジェイクに「今日一日は訓練日(トレーニングデイ)だ」と言う。なので僕は、今日起こる出来事はすべて、ジェイクの資質を見極めたり彼を鍛えるための訓練なのだろうと思って映画を観ていた。
 麻薬を試させたのは経験を積ませるため、情報屋の家で酒を飲んだのは顔繋ぎのため、愛人の家へ行ったのは地域の土地勘を付けさせるため――という具合だ。その後、アロンゾの行動はどんどんエスカレートし、ついにはロジャーの家を襲い、金を奪って殺してしまうのだが、これはすべて訓練の芝居――すべてが一段落したところで、どっきりカメラのように「な〜んちゃって」というオチがあるものと思っていた。

● 衝撃のクライマックス
 なので、この映画の終盤はまったく意表を突くものだった。
 ジェイクと別れた後、アロンゾがロシアン・マフィアに襲撃されるからだ。
「おい、おい、ジェイクがいないところで芝居しても意味ないじゃん。馬っ鹿でえ!」
 と思ったのだが、馬鹿なのは僕でした。
 全くの勘違いだったわけで、その後のクライマックスは文字どおり衝撃のシーンとなった次第。

 要するにアロンゾは根っからの悪人だったというオチ。
 参りました。

● デンゼル・ワシントン
 勘違いしたのは、アロンゾを演じるのがデンゼル・ワシントンで、彼が悪人を演るはずがないと思ったから――ではない。最初に書いたとおり、「今日は訓練日」と彼が言い、『訓練日』という映画タイトルだから――それだけの理由だ。
 というわけで、アロンゾのキャラクターを完全に見誤っているので、デンゼル・ワシントンがアカデミー主演男優賞をとりながら、その演技が良いのかどうなのか、ピンとこないまま。映画が終わってから振り返れば、そういえば何度か得意の涙目を見せてたよなとか、ラスト近くの「俺はキングコングより強い」と言う芝居は迫真ものだよなとか、何となく後付けで感動する次第。
 つくづく僕ってアホだ。

 待てよ!
 もしかして、ここまで計算してデンゼル・ワシントンが演じていたとすれば……。
 勘違いした僕は、かえって彼の演技のすごさを味わっていたのかもしれない。後の『ザ・ウォーカー』(The Book of Eli; 2010年)で、たいていの観客は彼の演技のすごさに気がつかないままというのと、少し似たところがあるのかもね。
 とにかく参りました。

● イーサン・ホーク
 この映画のレビューで無視されるのが、ジェイク役のイーサン・ホーク。
 僕には、かなり良い芝居をしているように見える。
 アクの強いデンゼル・ワシントンと張り合ってもクサクなるだけと計算し、むしろ感情や動きを抑え目に演じることで、正義感の強い新人刑事の役を完璧に作っている。しかも、アクションではキレのあるところも見せるので、横暴な先輩刑事に対峙する力量も表現することになる。
 頭のいい役者だ。
 アロンゾに振り回されて千変万化する表情とか、さりげなくうまいよね。

 出番はアロンゾと同じか、むしろ多いくらいなのに、こちらは脇役扱い。実は彼もアカデミー助演男優賞にノミネートされていて、この映画での演技を評価するのは、僕だけではないのだ。

● その他の脇とか街とか
 ついでに僕の好みを言えば、情報屋ロジャーと愛人サラにそれぞれスコット・グレンとエヴァ・メンデスが出ているのが嬉しかったりする。

 メイキングなどによると、監督はロスのスラム街でのロケが自慢らしいし、スタッフもそのロケによってかなりリアルな映像になったと自画自賛しているところがある。
 僕にはピンとこないところ。米国の危なっかしいエリアなど足を踏み入れたこともないし、映像的にはかなり小ざっぱりした感じだからだ。恐らく撮影時の警備上の理由などなどにより、ストリートや周囲の老朽化した家などを綺麗に清掃したんじゃないかな。
 ラスト近くの「キングコング」の台詞のシーンでも、危険な街という緊迫感が、もう一つ伝わってこなかったな。

● お薦めではあるが……
 たぶん、映画を観る前にアロンゾが悪人だと知っていると、その面白さの半分も味わえず、しかもデンゼル・ワシントンがアカデミー主演男優賞をとった意味の半分も理解できないという、厄介な映画。
 まだ観る前にこの感想を読んだ人は、大きな感動を一つ損したことになる。
 ご愁傷様。


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