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zoom RSS 映画の感想文 [1068] 無限の住人

<<   作成日時 : 2017/04/30 21:16   >>

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【無限の住人】
製作年:2017年
公開:2017年4月
監督:三池崇史
出演:木村拓哉、杉咲花、福士蒼汰

===== あらすじ(途中まで) =====
 旗本の家臣だった万次は、不正に絡んだ主とその家来を斬ったために逃亡する身となり、賞金稼ぎたちに妹の町を殺され、自分も瀕死の大怪我を負ってしまった。そのとき八百比丘尼と名乗る不気味な老婆が現れ、万次の心臓に血仙蟲を移植した。それ以来、万次は手首が切断されるほどの大怪我でもすぐに治るような不死身の身体となり、ひっそりと江戸の外れに隠れ住むこととなった。
 50年後、江戸では天津影久が率いる逸刀流が次々と剣術道場を荒らし回っていた。天津は浅野道場にも現れ、道場主の浅野虎厳を殺し、妻の時をさらっていった。あとに残された一人娘の凜は復讐を誓い、両親の墓前に現れた八百比丘尼の言葉に従って万次を探し出し、用心棒になるよう依頼した。
 最初は断っていた万次だが、凜が町にそっくりな容姿をしているせいか、ついに用心棒を引き受けることにする。
 二人は天津の居所を探るため、黒衣鯖人や凶戴斗、閑馬永空らの逸刀流の幹部を次々と倒していった。一方、天津は幕府の吐鉤群から公儀御用達となる話を持ちかけられていることもあり、なるべく問題を起こさないよう、普段は花魁の乙橘槇絵に密かに万次たちを殺すよう命じた。
 一方、尸良や百琳といった謎の者たちも天津を倒そうと動いていた。

===== 感想 =====

● 粗い
 第一印象は――粗い――だな。
 話の展開、一つ一つの台詞、一つ一つの場面、そして場面のつなぎ、さらにはメイクや衣装など、映画としてのいろいろな要素について、作りがものすごく粗いのだ。
 あるいは「雑」というべきか。
 美術、照明、撮影や編集などの関係は、ほぼ全滅状態と言いたくなるほどの出来。例えば、万次の顔の傷跡はミミズのような造形で、せっかくの主役のアップが興醒め。面白い形の武器が数多く登場するのに、どうも重量感が無かったり、仕上げがちゃっちかったり。映像的には絵のコントラストが悪いし、焦点はピンボケだし、場面が切り替わるときに話が急に断絶したりする。
 どうも監督が粗製濫造状態から抜け出せていないみたい。

 見どころは一人(又は数名)で何百人もの敵を倒すアクションシーン。これは文句なしにすごいぞ。
 万次の武器や闘い方、カメラの撮り方なども場面ごとにバリエーションがあって、すごく工夫してる感じ。ここに粗さや雑な印象はなく、素直に感動ものだった。

● 無国籍・無時代
 一応は江戸時代の剣客を主役としてるけど、典型的な無国籍かつ無時代な映画。考証をほどほどに、国籍や時代を超越して新感覚のアクションを作るというのは、映画の伝統芸。日本では、例えば日活の赤木圭一郎や小林旭(そして脇役などで石原裕次郎)らが活躍した時代から脈々と続くものなのだ。
 一時期、やたらチャイナ風あるいは半島風に無国籍になるという誤った方向性もあったけど、この映画ではもっと広い視野での無国籍化、無時代化。
 いいんじゃない。

 髪形、化粧、衣装、武器――どれを見ても、いかにも今時の映画というテイストがうまく醸せてるもんね。
 ただし、アイデアはいいのに、肝心の美術の作りがなあ……。雑なんだよなあ……。

● 気合い
 万次役は木村拓哉。
 かなり良い。(ネットでは見る前からボロクソに貶す人がいるけど、見もしないで、ケツの穴の小さい連中だよなあ……)
 木村拓哉の場合、こうした人間離れしていて、かつ人生に葛藤を抱えたヒーローというのがすごく似合う。アクションの運動神経の良さは抜群だし、相手をきっと睨むような視線の表情も惚れ惚れする。とにかく男前。存在感たっぷり。
 相手役の女性――凜――を恋人ではなく妹のように思うというのも、木村拓哉のイメージに合っているような気がする。

 町と凜は、主役の妹又は妹代わりというキャラ設定のせいか、色香はなし。杉咲花が大きな声で頑張っていたな。
 天津影久役は福士蒼汰。ちょっと線が細いけど、そういうキャラ設定なのかも。美術が下手で重く見えない斧を演技で重そうに見せつつ、でも軽々と振り回さないといけないという、なんとも難しい芝居を要求されていた。気合いで乗り切ったという感じ。
 閑馬永空も難しい役。短時間の出番で、自分自身の素性について、ものすごく説明臭いセリフをこなさないといけないのだ。市川海老蔵が苦労してた。
 一方、市原隼人が外道の尸良をキレキレに。演じる本人もすごく楽しそう。
 北村一輝の黒衣鯖人のロリコン変態ストーカーぶりも決まってるし、田中泯の吐鉤群の上から目線で悪企みジジイっぷりもイメージぴったし。

 注目は、乙橘槇絵役の戸田恵梨香と百琳役の栗山千明。
 子役のころから写真集(戸田は水着、栗山はヌード)を出し、細くて長い足が自慢の二人。アクション的には、元ゴーゴー夕張でキックボクシングも練習してる栗山千明が槇絵を演るのがいいんじゃないかと思ったけど、実際に見てみると最近の撮影技術のおかげか、戸田恵梨香も十分に見せてくれる。花魁姿よりは無国籍な女剣客の姿が格好良かったな。

 八百比丘尼は山本陽子。顔がよく見えなかったので、エンドロールまで気がつかなかった。

● 丁寧ならば
 マンネリ気味の監督とスカッとした話題のない主役。観る前はさほど期待していなかったけど、案外、面白い。
 140分もの長尺なのに、飽きる時間はほとんどなかったもんね。
 もう少し丁寧に作ってくれれば、お薦めなんだけど。


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