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zoom RSS 映画の感想文 [1061] エルサレム

<<   作成日時 : 2017/04/14 10:01   >>

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【エルサレム】
原題:Jeruzalem
製作国:イスラエル
製作年:2015年
日本公開:2016年7月
監督:Doron Paz(ドロン・パズ), Yoav Paz(ヨアヴ・パズ)
出演:Yael Grobglas(ヤエル・グロブグラス)

===== あらすじ(途中まで) =====
 ニューヨークに住むサラとレイチェルは、二人でイスラエルの旅に出た。飛行機で知り合った人類学者のケヴィンに誘われてエルサレムへ向かい、旧市街にあるホステルのオーナーのオマールとも仲良くなって、観光したり夜のクラブに繰り出したりと、四人で異国情緒を満喫した。
 数日後、ケヴィンの様子が急におかしくなった。すぐに街を出ろと言い出し、ホテルで騒ぎ立てたために、当局に連れ去られてしまう。サラとレイチェルは贖罪(しょくざい)の日が過ぎたらテルアビブへ行こうと相談するが、その夜、市内各地で軍と何者かとの交戦が始まり、旧市街地は閉鎖され、誰も外へ出られなくなってしまった。
 逃げまどうサラたちは、巨大な悪魔のような姿をした化け物と、蘇った大勢の死者たちを見ることになる。

===== 感想 =====

● 主観映像
 映画は全編がサラの主観映像になっている。父からプレゼントされた「スマートグラス」による映像ということで、「スマートグラス」とは眼鏡にスマホの機能が組み込まれたもののようだ。
 そのため台詞ではサラが主役ということになるが、彼女の姿が映るのは眼鏡を外した時などの数カットだけ。映像的に姿が一番多く映るのはレイチェルになる。

 一昔前に流行した主観映像ということで、時代遅れ感はあるものの、イスラエルの製作陣が頑張って作ってみましたということなのだろう。とはいうものの映画の中だけを見ると、さほど惹かれるところは少なくて、映像的に主観映像として面白いなと思ったのはラストのシーンくらい。

● 迷路
 映像としてのもう一つの魅力はタイトルでもあるエルサレムの市街の様子だろう。
 街全体を俯瞰する絵では、建物がごちゃごちゃとしている様子を見渡すことができ、夕暮れの中で独特な美しさを醸し出している。これはエルサレムという街そのものが持つ魅力であり、それを上手に捉えた映画だと思う。
 そして入り組んだ路地も魅力だ。何千年にもわたって破壊と建設が繰り返されてきた街なわけで、路地は狭く入り組み、平面的なだけでなく上下方向にも複雑な構造になっている。まるで街全体が3次元迷路のような様相なのだ。

 まさに時間と空間のダンジョンのような世界。
 この迷路の中で、主役たちは地獄からやってきた異形なものたちと遭遇することになる。

 実はこの要素をずっと強調してくれれば良いものを、映画の中盤は病院でのゾンビものになる。これでは多くのホラーと大差が無くなってしまい、「迷路のようなエルサレム」という舞台設定の面白さが無くなってしまう。
 かなり残念だったな。

● 悪魔
 この映画では悪魔らしきものや蘇った死者などが登場するが、それほど鮮明な映像としては映し出されない。観客の想像力をかき立てるためというよりは、アイデア的にきっちりとしたもの、あるいはこの映画独自のオリジナリティのあるものを造形することができなかったのではないかな。ちょいゴマカシ感があるところだ。

 宗教的には、サラとレイチェルは米国人のユダヤ教徒で、ケヴィンはキリスト教徒、オマールはイスラム教徒という設定らしい。
 この三つの宗教は、神あるいは預言者は違うものの、悪魔は共通ということらしく、四人が持つ悪魔のイメージが交錯するようなところなどを、もう少し丁寧に描いてくれると面白かったと思う。
 ここも少し残念なところ。

● 努力賞
 タイトルをもっと突き詰めて描けば、案外、傑作になったかもしれないのに。


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