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zoom RSS 映画の感想文 [1099] 青春群像

<<   作成日時 : 2017/07/22 19:57   >>

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【青春群像】
原題:I Vitelloni
製作国:伊国、仏国
製作年:1953年
日本公開:1959年5月30日
監督:Federico Fellini(フェデリコ・フェリーニ)
出演:Franco Fabrizi(フランコ・ファブリッツィ)

===== あらすじ(途中まで) =====
 北イタリアの海辺の田舎町で、5人の若者が無為な毎日を過ごしていた。女にだらしのないファウスト、質(たち)の悪い男にたぶらかされている姉を持つアルベルト、歌の上手なリカルド、劇作家志望だが芽の出ないレオポルド、人一倍友達思いのモラルドだ。彼らは仕事に就かず、親に養われ、カフェでビリヤードや雑談をして一日を過ごし、たまに祭りやイベントがあると馬鹿騒ぎをする。
 ファウストはモラルドの妹サンドラを妊娠させ、両家の親によって無理やり結婚させられた。さらに、サンドラの父の紹介で雑貨店で働くようになるが、店主の妻にちょっかいを出したために首になってしまう。アルベルトの姉はとうとう男と駆け落ちした。レオポルドは、町へ興行に来た俳優に脚本が認められるが、夜の浜辺に誘い出され、身の危険(?)を感じて逃げだしてしまった。
 モラルドはいつも暗い顔をし、毎晩、一人で町を散歩しながら物思いにふけるのが好きだった。ある夜の午前三時ころ、出勤途中の少年に出会った。グイドという名の駅員だ。モラルドは、グイドが自分よりはるかに若い少年なのに、働くことを当たり前と考えていることに心を動かされる。

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===== 感想 =====

● のらくら
 ファウストたち五人組みのことを、DVDの日本語字幕では「のらくら」と記していた。
 映画の原題「I Vitelloni」は「去勢された牛」という意味。あるいは、出展不明の怪しい説によれば「のらくら青年」を表す北部の方言らしい。
 観ていて呆れるのは、みんな30代だというのに親の脛をかじり、ときに姉に金の無心をし、ぐうたら、のんべんだらりと毎日を過ごしているということだ。働かなくちゃと口では言いながら、真面目に職探しをする気など欠片も無いし、コネで仕事を得ても女性問題でクビになる。まったくやる気無し。
 レオポルドだけは一応、劇作家志望ということで前向きな態度のようにも思えるが、それとてペンを手にすると三角だけ書いてアイデアに詰まり、すぐに隣の家の家政婦と窓越しにおしゃべりをするというありさま。やはり、やる気無し。

 全体を通じての大きな事件があるわけでもなく、起承転結のような展開があるわけでもない。淡々とダメな若者の一年を綴った映画なのだ。

● 定番
 フェリーニの定番のような映像が次々と登場する。。
 そもそも田舎町の1年間を舞台に住民の人間模様を描いた作品といえば『アマルコルド』(1973年)で、ちなみに今回の映画はアマルコルドの後日談のようなものという説もあるくらい。
 グイドといえば『8 1/2』(1963年)の主役というのは、フェリーニのファンには常識だろうし、仮装パーティーの馬鹿騒ぎは『道化師』(1970年)のエンディングにそっくり、舞台で女たちがヘンテコなダンスを踊るのは『ローマ』(1972年)の一シーンに似てる。
 全体的なこととして、群集シーンではスクリーンに映る人間の密度が濃いし、豊満熟女や生臭そうな聖職者、道化あるいは喜劇役者といったキャラもおなじみだし、トランペットとか夜中の人気(ひとけ)の無い噴水広場とかも欠かせない。
 5人が一緒に浜辺で海を見つめるシーンがある。その後姿が、どことなく『道』(1954年)のイントロっぽいもの悲しさ。

 こうしたいろいろな共通要素がありながら、シュールな感じはあまりしないし、あるいは奇をてらったような演出は少なくて、むしろ素直な撮り方に好感を抱く人は多いんじゃないかな。この映画、本物のツウ好みらしいけど、わかるような、物足りないような。
 で、物足りなく感じるのは、僕が幼稚なせいなんじゃろ。

● 床屋
 観ている間、知ってる役者はいないようだと思っていたけれど、後で調べたらファウスト役のフランコ・ファブリッツィは、なんと『ベニスに死す』(1971年)の床屋とのこと。そういわれると、面影があるかな。

 僕の場合、あと百年ぐらいいろいろな映画を観続けたら、この映画の本当の良さが分かるのかも。
 まだまだ、だな。

〔おまけ〕
 実は1950年代の映画には、いわゆる「映画ツウ」の評判はすごく高いけど僕には良さが分からないという作品が多いんだよね。
 おそらく、僕より少し上の年齢層の人たちの若かりし頃の思い出や思い入れと相関があるのかも……って、思ってる。


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グイド

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