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zoom RSS 映画の感想文 [1100] 小さな恋のメロディ

<<   作成日時 : 2017/07/24 09:21   >>

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【小さな恋のメロディ】
原題:Melody
製作年:1971年
製作国:英国
日本公開:1971年6月
監督:Waris Hussein(ワリス・フセイン)
出演:Mark Lester(マーク・レスター), Tracy Hyde(トレイシー・ハイド), Jack Wild(ジャック・ワイルド)

===== あらすじ(途中まで) =====
 11歳のダニエルは、少年団(*1)に参加した縁で、同じ学校のガキ大将トムと仲良くなった。ダニエルは裕福で優しい両親に育てられ、トムは病気の祖父の面倒をみながら貧しい家に暮らしている。二人は、一緒に繁華街へ行ったり、他の仲間と一緒に廃工場で手製爆弾を作ったりして遊んだ。
 同じクラスのメロディは、酒好きだけど人の良い父、それに母と祖母の四人暮らしだ。屋台で買った金魚を空きビンの中で育てている。
 体育の時間、ダニエルはバレエの練習をするメロディに一目惚れし、放課後も彼女の後を追うようになった。学校のダンスパーティーで言葉を交わしてから、二人は次第に打ち解けてゆき、ついには学校をさぼって海へ遊びにも行った。
 いつも一緒にいたいと願う二人は、親や先生に結婚すると宣言した。しかし、大人たちはただ当惑するばかりで、二人の気持ちをちゃんと受け止めようとはしなかった。


(*1) Boys' Brigade (BB)

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===== 感想 =====

● 可愛いラブストーリー
 まさに日本で一世を風靡した幼い恋の物語。
 主役のダニエルとメロディがすごく可愛いし、二人を助けることになるトムの腕白ぶりも魅力たっぷりだ。
 メロディの友達は、ミック・ジャガーのポスターにキスしたりと、少し性的に目覚め始めた年頃なんだけど、メロディやダニエルはまだまだ子供。キスなど、とてもとても。結婚も「いつも一緒にいる」という以上の意味を持たない。セックスはもちろん、日々の生活なども超越した、純なものなのだ。
 そういう意味で、純粋な恋が二人によって育まれていく。
 ピュア ―― でもちょっぴり甘酸っぱい心地良さが残る映画なんだよね。

● 二人の様子と三人の様子
 ダニエルとメロディが二人きりのシーンは、美しい映像が多い。例えば、雨の中で寄り添うカットなど、そのまま切り取りたいような絵だよね。
 また、二人が砂浜で遊んだり、並んで座っているシーンなどを見ると、ついつい自分自身の思い出に重ね合わせてしまう。そうした自分の記憶が、この映画のおかげでノスタルジックに美化されていくと感じる人も多いんじゃないかな。

 三人の主役について、一人一人のキャラクター描写も面白い。
 ダニエルは優しい性格。トムを中心としたイタズラ仲間に加わって一緒に遊ぶのが楽しいし、一方でトムの家庭のことを気づかったりもする。メロディを見初めてからは、トムにはっきりと「あの子と話をしたい」と言い、ランチのときには隣に座ろうとする。決してイジイジとはしないのだ。
 メロディは典型的な労働者階級の家庭の娘だ。音楽の課題が、ダニエルはチェロなのに対しメロディはリコーダーという具合に、二人の家庭の収入などには、はっきりと差があると対比されている。彼女はお嬢様でもなければ、貧困でもなければ、崩壊しかけた家庭の子供でもない。ごくごく普通の少女ということだ。親しくなる前にダニエルがストーカーみたいなことをしても、内心では巻き毛の可愛い子に好かれたと喜ぶような年頃だ。
 トムは、行儀が悪く、ちょっと悪ぶっているけど、親分肌のイイ奴。教師のことなど屁とも思っていないが、別に嫌っているわけでもない。映画のラストで躾けの厳しい教師をやっつけるときは、ほぼ遊び感覚だ。ダニエルがメロディといつも一緒にいるようになってからは、少し焼餅を焼いて意地悪をすることはあるものの、ダニエルの真剣さを知って頼もしい味方になる。

 どれも子供たちの様子なんだけど、すごく巧みに、そして可愛く描かれている。

● 三人の役者
 ダニエル役はマーク・レスター。1958年7月11日生まれで、日本での映画公開当時は12歳。金髪巻き毛の甘い顔で、少女マンガそのもの。日本では爆発的な人気を得ることになった。
 メロディを演じるのはトレイシー・ハイド、1959年5月16日生まれの11歳。ちょっと兎ッ歯なところが庶民的。この作品以外、あまり映画出演はないみたいだ。
 トム役はジャック・ワイルド。彼は1952年9月30日生まれなので、何と18歳ということになる。他の子より芝居がうまいはずだ。この映画が単に幼く甘いだけの仕上がりにならなかったのは、彼の魅力によるところが大きいと思う。

● オチバレ
 ここから、有名なラストのシーンの感想。
 ダニエルとメロディは駆け落ちをすると決め、学校を抜け出し、いつもの廃工場で、トムら学校の仲間に祝福されて結婚式を挙げる。先生や母親が連れ戻しにくるが、仲間が妨害している隙に、二人はトロッコを漕いで逃げていく。

 一面に咲いたレンゲの間を抜けて、どこまでも続くレール。トムの言うとおり、きっとレールの先には駅があって、二人は列車に乗り換える。そしてずっとずっと、たぶん50年は愛し続けるに違いない。
 最初に見たときは、すごく若かったので、「やったぜ!」みたいな爽快感と、どこか甘酸っぱい切なさとが混ぜこぜになった感覚に、すっかりひたったものだ。

 で、「んな、あほな」とか「アリエネー」だの「ストーリー投げっぱなしじゃん」だのと言ってはいけない。無粋の極み。
 大人になるとすぐに現実的な将来を考えてしまうけど、
≪映画の中ぐらい、そんなもの忘れたっていいじゃん≫
≪ピュアな気持ちになる瞬間を大切にしようよ≫
 どうも、そういうメッセージが聞こえてくるんだよね。

● 音楽
 数々の可愛くて美しいシーンの背後にビージーズの曲が流れる。『メロディ・フェア』や『若葉のころ』など、いつまでも忘れることのない美しい曲だ。
 また、ラストシーンのクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの『ティーチ・ユア・チルドレン』も意味ありげ。

● 是非
 英国や米国ではヒットしなかったけど、日本では大ヒット。きっと日本人の琴線に触れるところが強いのだろう。

 いくつになっても、観るたびに眩しい映画。
 老いも若きも必見だよ。


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