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zoom RSS 映画の感想文 [1096] ネオン・デーモン

<<   作成日時 : 2017/07/17 10:11   >>

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【ネオン・デーモン】
原題:The Neon Demon
製作国:仏国、デンマーク、米国
製作年:2016年
日本公開:2017年1月
監督:Nicolas Winding Refn(ニコラス・ウィンディング・レフン)
出演:Elle Fanning(エル・ファニング)

===== あらすじ(途中まで) =====
 16歳になったばかりのジェシーは、モデルになりたくてジョージアからロサンゼルスに出てきた。近くに友人も身寄りもなく、一人で安モーテルに泊まりながら、チャンスをうかがう日々だ。
 カメラマン志望のディーンに応募用の写真を撮ってもらったとき、メイクアップ・アーティストのルビーと親しくなった。さらにモデル事務所のロバータ・ホフマンに魅力を見出され、人気カメラマンのジャックのモデルやデザイナーのロバートが催すショーのトリを務めるまでになった。しかし、ジジやサラなどのモデル仲間からは妬まれ、モーテルの管理人のハンクからは妙な目で見られることもあった。
 ルビーは、撮影のメイクのほか、死化粧の仕事もやっていた。自宅はなく、住人が長期不在にしている大きな邸宅に、管理人も兼ねて住んでいる。モーテルに危険を感じたジェシーからの電話を受けると、その屋敷へ来るようにと誘った。

画像

===== 感想 =====

● ピンボケ
 ファッションやモデルの業界のドロドロを描いたものかなと思っていたけど、そういう内容ではなかった。トントン拍子に人気が出る新人に嫉妬するネタはあるが、それってどんな業界にもありそうなこと。体を張った売り込みとか、セクハラやパワハラの類とか、クスリやビョウキ、あるいは怪しい宗教や商法などなど、華やかな業界に有りがちで、しかも人の弱みに付け込んだり、人を食い物にするようなネタなどはほとんど出てこない。
 いや、人を食い物にする話は出てくるか……。

 じゃあ、何を描いた映画なのといわれると、答えに窮してしまう。ピントがどこに合わせているのか、どうも分からないのだ。話の全体構成のようなものが、かなり歪んでる感じ。
 それでもいくつかの台詞などをヒントに「考える」と、以下のようになるのかも。

● 才能
 ジェシーは、クリエーターたちの受けは良いみたいだけど、ファンなどに人気があるのかどうかはよくわからない。いまどきはネットですぐに口コミなどが広がる時代。こうした一般大衆の反応を全く描かないので、結局、ジェシーはどれほどのモデルなのか僕らに伝わらないことになる。
 多くの観客は、ジェシーの才能は何だろうかと思いながら撮影やショーのシーンを見ることが多いんじゃないかな。というのは、ジェシーがディーンとデートしたとき「歌も踊りも駄目だし、文も書けない。可愛いだけ」と言うと、「何か才能はあるはず」とディーンが答えているからだ。

 その才能とは何か?
 モデルとしての才能ははっきり描かれていない。プロに見込まれるのだが、ロバートの言葉によれば外見だけが重要らしい。あるいは、ルビーは初対面でジェシーの肌の美しさに感心した。
 本当に外見が可愛いだけなのか?
 もう一つのヒントは、彼女の母が言ったという言葉だろう。ジェシーは「危ない子」だというのだ。
 ここでの「危ない」とは、タイトルに直結する意味だと思う。ジェシーは、「Demon」つまり魔物や悪鬼のような資質の持ち主ということだ。

 では、魔物のような資質とは、具体的に何か?
 どうも、彼女の外見、特に肌の美しさに、創造性を刺激したり、あるいは性的欲求をかき立てる魅力があるようだ。ジャックやロバートは創作に熱が入り、ルビーやハンクは少し変わった性欲を感じるみたい。

 こうした前提を踏まえて、終盤はかなりグロイ内容になる。
 モデル仲間が、ジェシーの才能――Demonの資質――を奪おうとして、とんでもないことをしでかす。
 かつて、この監督の『ヴァルハラ・ライジング(原題:Valhalla Rising)』(2009年)の感想で「残酷なカットも多い……ただし……あまりグロい印象は受けない……この監督、案外、品が良いのかも」なんて書いたけど、今回はさすがにギブアップ。特に食べ物系の汚いネタは生理的にまったく駄目なので、終盤は観ていてほぼ拷問状態でござった。

● 赤
 この映画の基本カラーは赤だろう。
 前半は、紫を帯びた赤を多用して、撮影の様子などをシュールっぽい映像にしている。ネオンが煌めくロスの夜景も、赤紫に煙っているような感じ。
 ロバートのショーで赤い宝石のようなイメージを使ってから、少し色のトーンが変わる。映画の終盤は黒ずんだ赤が多用されることになる。

 ジェシーを演じるエル・ファニングは、それほど可愛いとは感じなかった。特に映画の冒頭の撮影シーンでは、照明などの下手さもあって、足の筋肉が目立ちすぎ。
 モデルの一人、しかも最重要なモデルのサラ役にアビー・リー。本職がモデルなので撮影シーンなどは完璧だし、演技もそこそこいける。彼女の魅力が、モデル業界の映画という面をかなり補強していたな。
 美人ということでは、モデル事務所のマネージャーであるロバータ・ホフマンを演じたクリスティーナ・ヘンドリックスを無視できない。『ダーク・プレイス』(2015年)の主役の母親役では、シャーリーズ・セロンと張り合うことを避けて地味目にしてたけど、この映画でも自慢の巨乳は封印し(実は秘書の席へ行くとき胸が目立つけど、引いたアングルなので気にならないと思うぞ)、赤毛も控えめに、赤紫のスーツを着こなしていた。

 なお、ハンク役にキアヌ・リーブス。この役、彼でなくてもいいんじゃない?

● お薦め
 何とも歯切れの悪い感想でスマン。
 この映画の場合、終盤の展開は書かないのがマナーのように感じるし、生理的にも書きたくない。
 萎え。


画像
クリスティーナ・ヘンドリックス
赤毛と胸元は控えめに
赤紫のスーツ

画像
赤紫のロスの夜景
『ラ・ラ・ランド』みたい

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