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zoom RSS 映画の感想文 [1104] マギー

<<   作成日時 : 2017/08/01 21:48   >>

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【マギー】
原題:Maggie
製作国:米国
製作年:2015年
日本公開:2016年2月
監督:Henry Hobson(ヘンリー・ホブソン)
出演:Arnold Schwarzenegger(アーノルド・シュワルツェネッガー), Abigail Breslin(アビゲイル・ブレスリン)

===== あらすじ(途中まで) =====
 世界中に感染力の強いウィルスが蔓延し、米国の田舎町に住む16歳のマギーも感染してしまった。家には父ウェイドと後妻のキャロライン、そして二人の子供がいる。感染者は潜伏期間のうちに「隔離施設」に収容されることになっていたが、ウェイドはマギーを少しでも長く家に置こうとしたため、警察とトラブルを起こし、キャロラインは子供を連れて出て行ってしまった。
 キャロラインの病状は悪化し、いずれは人間としての意識を失い、誰であろうと襲うようになる。ウェイドは為す術もなく見守るしかなかった。

===== 感想 =====

● 愛する者を失う
 いわゆるゾンビもので、ゾンビになる側の心境を扱うもの。この映画では、当人であるマギーだけでなく、いずれゾンビになる娘を持った父の苦悩を描こうとするものだ。

 似て非なる状況はいくつか思い当たる。

 例えば、娘が難病で若死にしてしまう場合。
 余命数週間と宣告された娘を持つ父親の心境とヴェイドの心境は近いものがありそうだ。娘を失う悲しみや、若い者が先立ってしまう不条理感。こうした苦しみを抱くことになる。
 でも、ヴェイドの苦悩はそれだけではない。

 例えば、娘が難病で、安楽死を望む場合。
 日本ではまだ安楽死は合法ではないけど、ヨーロッパなどには合法の国もあるらしい。ちなみにこのサイトで感想を書いた『君がくれたグッドライフ』は、安楽死の認められたベルギーへ旅行する話で、安楽死を看取る者に焦点を当てた作品だった。
 今回の映画では、ヴェイドは娘を安楽死させるかどうか悩むことになる。しかも自分で手を下さなければならない状況に追い詰められる。ところが、いくら安楽死が娘にとって最善の途と頭で理解したとしても、実際にできることではない。その悩みと苦しみはいかほどのものか。

 ここまでは、世の中で現実に有る話ということだ。
 ところが、娘がゾンビになるということは、これにさらにもう一つの苦悩が加わることになる。
 つまり……。

● 愛する者に襲われる
 つまり、父親はゾンビとなった娘から襲われることも想定しないといけない。自分自身の命を守るためには、娘を監禁したり、場合によっては殺すことが必要になる。これは辛いことだ。
 いや、多くの父親の場合、自分の身を守ることよりも、そもそも愛する娘が自分に襲いかかること、そのこと自体に深い悲しみを抱くのではないかな。
 反抗期の反発や親子喧嘩などとはまるで違う。娘が獣や魔物のようになって自分を襲うのだ。これが何よりもこたえる。

 結局、この映画で一番観るべきポイントは、娘が自分を殺そうとするかもしれない、そんな獣になってしまうかもしれないという恐れえを抱き、愛する者が変わってしまうことに深い悲しみを抱く父親の心ということだろう。

● 闘うシュワちゃん
 アーノルド・シュワルツェネッガーは、銃や刃物あるいは格闘技では闘わない(本当はちょびっとだけ技をみせるけど)。でも、心の中ではいろいろな迷いや苦悩と闘っている。そういう意味では闘うシュワちゃんなのだ。

 衆知のとおり、アーノルド・シュワルツェネッガーは筋肉美を見せるアクション俳優として頂点を極めた大スターだ。しかし、今回の役は、筋肉ではなく心で闘う役。彼はとても賢いので、自分がどういう演技をすべきか、そうとう研究したのだろう。
 ダニエル・デイ=ルイスのように七変化する役作りは無理だし、ダスティン・ホフマンのように器用に技を見せるのもできないし、ジャック・ニコルソンのようにテンション高いキレっぷりで存在感を発揮するというタイプでもない。
 結局、今回の映画では、体全体にしろ、顔の表情筋にしろ、なるべく大きな動きをしないよう心掛け、ピンポイントに感情を表現するようにしているみたい。一歩間違えれば、いわゆる棒演技だけど、天性の一種独特な個性が滲み出ていたんじゃないかな。
 いずれ冷酷な知能犯のような悪役をやってくれると面白いと思うよ。

● 佳作
 ドタバタしたゾンビものを期待しなければ、楽しめるはず。
 シュワちゃんの心境を、静かに静かに見守る感じで。


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