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zoom RSS ワールドカップ2018 ロシア大会 (その13) ドイツvsメキシコ 感想

<<   作成日時 : 2018/06/18 15:49   >>

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グループF
2018.06.17 18:00 (日本時間:24:00) ルジニキ・スタジアム(モスクワ)
ドイツ 0−1 メキシコ
ロサノ(前35)

● 布陣
 ドイツは4−2−3−1。

              9 ヴェルナー
    7 ドラクスラー   10 エジル   13 ミュラー
          8 クロース   6 ケディラ
2 ブラッテンハート 5 フンメルス 17 ボアテング 18 キミヒ
              1 ノイアー

 メキシコも4−2−3−1。

         14 エルナンデス
   22 ロサノ   11 ベラ   7 ラジュン
     18 グアルダド   16 エレラ
23 ガジャルド 15 モレノ 2 アジャラ 3 サルセド
          13 オチョア

● ドイツの攻守
 ワールドカップ常連国同士の対戦。経験豊富なチームが、入念に準備をして臨むとどういう試合が展開されるか。
 まさにその醍醐味を味わう内容となりました。

 まず、ドイツの守備。二つの特徴がありました。
 一つはライン守備。最終ラインの4人が横に並び、その前のスペースは3人又は4人で守ります。この第2列ははっきり形勢されるというものではありませんでした。
 もう一つは密集守備。敵から遅効を仕掛けられ、ライン際に追い詰めたときに、横も縦も極端にコンパクトに密集してしまうというものです。前半12分の右サイドの守備が典型例ですが、このときは十数メートル四方にメキシコ5人に対しドイツ7人、さらには9人もが密集するという状況になりました。
 これが意図的かどうか気になるところですが、これ以降、メキシコは速攻カウンターなど、速く大きくボールを動かすことを心がけるようになったため、もう一度見ることはありませんでした。

 次にドイツの攻撃。これも主に二通り。
 一つは右サイドからの崩し。以前は右SBラームを中心としたものでしたが、今回はキミヒがしっかりと後継者になっていました。
 もう一つは長いボール。トップのヴェルナーをポストとするものです。こちらは、さほど機能しなかったような気がします。

 結果をみると、メキシコの守備が機能し、ミュラーやエジルにいいボールが入らず、ドイツの攻撃はかなり封じられた格好でした。これまでずっと成功していた戦術が破られたことになりますが、メキシコの準備が周到で、しかも今日の出来が良すぎたというべきでしょう。

● メキシコの攻守
 メキシコの守備。
 4人のDFは、ラインを保持することよりもボールへの寄せを優先します。そのため、ボールが中盤で回っているうちは、きれいな横一戦にはなりません。ところがドイツが裏を狙うパスを出す瞬間に4人がきれいに並びます。これが戦術的に優れていることは、理屈上はわかりますが、なかなか実際に出来ることではありません。この連動性は見事で、まるでサッカー漫画にありそうな必殺技を見ているような気分でした。

 特筆すべきはメキシコの攻撃。
 後方でボールを取ると、長いボールでセンターサークル付近のフリーの選手へパスするか、又は高速ドリブルで一気に長い距離を持ち上がります。そこからダイレクトのロングパスを入れて一気にドイツのDFをぶっちぎるという展開を見せます。
 このスピード感と正確性は脅威的でした。

 試合は、ポゼッションこそドイツが上回るものの、次第にメキシコ・ペースとなり、決定機もメキシコが多いようでした。ノイアー、大忙し。

 得点は高速カウンターによるもの。自陣からの長いボールを使った大きな壁パスのあと、ゴール正面でエルナンデスが全速力で駆け上がったロサノにボールを渡し、ロサノが追いかけてきたエジルをケロリとかわして、ポスト脇にシュートを叩き込みました。

● 後半
 後半の立ち上がりも前半に似た流れです。
 状況を打破するため、ドイツは15分にロイスをトップ下に入れ、エジルをボランチの位置に下げました。これによりエジルがフリーでボールを持てる機会が増え、ここから前を向いて配給するようになります。
 ドイツが押しまくる展開となりました。

 メキシコは、13分にアルバレス、21分にヒメネス、29分にはなんとマルケスを投入します。ポイントは、少しずつ背の高い選手に入れ替えたこと。これにより、カウンターを仕掛けるときにロングボールによるポストも選択肢に加わるようにし、また守備ではドイツのパワープレーへの対策も講じるというものです。
 これも戦術的に合理的ですが、実際には着手できる選手が簡単に揃うものではなく、メキシコの選手層の厚さが脅威的です。再び、サッカー漫画にありそうな必殺技を見ているような気分。

 とはいうものの、20分過ぎからはメキシコの足が重くなり始めますし、ボールを奪っても軽いプレーですぐに取り返されるなどの悪い癖は相変わらずでした。
 これまで、ワールドカップでは何度もドイツの「不屈のゲルマン魂」を見せつけられてきましたので、メキシコが逃げ切れるか、最後までハラハラしどおし。終了の笛が鳴った時、観ている僕もぐったりでした。

● 個の技
 注目点の多い試合でした。

 メキシコの、トップスピードで走りながらの正確なトラップとボール運びは必見です。これにシュートの正確性やパンチ力が高まればなお良し。

 また、カウンターの起点となる、距離の長いダイレクト・パスというのも要注目。視野の広さだけでなく、守備している最中に、味方のトップの位置の確認が必要ということです。
 これまで、「攻撃しているときは敵のカウンターに備える」というのは当たり前のこととされていましたが、これからは「守備しているときは味方のカウンターの準備をしておく」というのも、重要な能力になってきそうです。
 とにかく、「視野が広い」だけでは不十分なことに注意してください。
 そして、足元では、長い距離の高速のインサイド・キックがダイレクトで正確に蹴れること。

 なお、ドイツのシュートもちょっと気がかり。
 多くのシュートがオチョアにキャッチされました。
 これまでは、GKの位置を確かめずにシュートを打つ下手糞という評価になりそうですが、今回はどうも様子が違う。
 意図的にゴールの中心に向かって打っているような気がするのです。
 おそらく、ドイツのやり方として
・ シュートが楽な態勢で打てるなら、GKの位置などを確認し、コースを狙う
・ ときにはギリギリの態勢で打つことも必要で、そのときはゴールの中心に向かって打つ。枠内に飛ばすことが最重要。ただし強く打つことで、自然にコースがバラけ、GKを外すことを期待する。
 こういう狙いを感じますが、どうでしょう?
 レーブに聞いてみたいところです。

● 体格にはスピードで対抗する
 この試合の最大の教訓は
☆ 体格に勝つには、技術
 ではなく、
☆ 体格に勝つには、1にスピード、2に技術
 ということでしょう。
 体格の大きな相手に勝つには、スピードと技術のどちらも必要だが、技術よりはスピードを重視して選手育成すべき――どうも、そういう気がします。
 これが、これからのサッカーの方向になるかもしれません。

 そういう意味で、この一戦は、歴史に残る、革命的な試合かも。


 ⇒ その1 始まるよー!
 ⇒ その2 グループリーグの予想
 ⇒ その3 トーナメントの予想
 ⇒ その4 ロシアvsサウジアラビア
 ⇒ その5 エジプトvsウルグアイ
 ⇒ その6 モロッコvsイラン
 ⇒ その7 ポルトガルvsスペイン
 ⇒ その8 フランスvsオーストラリア
 ⇒ その9 アルゼンチンvsアイスランド
 ⇒ その10 ペルーvsデンマーク
 ⇒ その11 クロアチアvsナイジェリア (ちょっと待ってね)
 ⇒ その12 コスタリカvsセルビア
 ⇒ その13 ドイツvsメキシコ (今回の書き込みです)

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