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zoom RSS ワールドカップ2018 ロシア大会 (その53) フランスvsアルゼンチン 感想

<<   作成日時 : 2018/07/01 17:16   >>

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ラウンド16
2018.06.30 17:00 (日本時間:23:00) カザン・アリーナ
フランス 4−3 アルゼンチン
グリーズマン(前13), パバール(後12), エムバペ(後19), エムバペ(後23)
ディマリア(前41), メルカド(後3), アグエロ(後48)

● 布陣
 フランスは、第2戦のペルー戦と並びもメンバーもまったく同じです。これがベストな布陣ということなのでしょう。
 なお、メッシのマークはカンテが主として受け持つこととし、マチュイディが補佐するという役割分担のようです。もちろん危険な場所でメッシがボールを持てば、周りの選手が寄ってたかって4人ぐらいで囲むというのは、当然のこと。
 今回、メッシがトップで前寄り中央に位置していたため、カンテはマークしやすかったと思います。ただし、後述のとおり、ディマリアの一発の伏線となりました。
 また、あまり守備が得意ではないエムバペは、他のMFより数歩くらい前に出ていることが多く、その背後をボグバがいつもケアしてるという関係のようでした。

            9 ジルー
  14 マチュイディ 7 グリーズマン 10 エムバペ
         13 カンテ   6 ポグバ
21 エルナンデス 5 ウムティティ 4 バラン 2 パバール
            1 ロリス

 アルゼンチンは、比較的、第3戦のナイジェリア戦に近い形。ただし、中盤が4人の4−1−4−1です。イグアインに代えてパボンが右サイドに入りました。
 メッシをワントップに置きましたが、ワントップの仕事をしてほしいというよりは、組織的なライン・ディフェンスの仕組みの中から外して、自由にやってくれ、言葉を換えれば「守備はあてにしないから好きにして」という布陣です。
 フランスの攻撃力をかなり意識しています。

           10 メッシ
11 ディマリア  7 バネガ   15 ペレス    22 パボン
         14 マスケラーノ
3 タリアフィコ 16 ロホ   17 オタメンディ 2 メルカド
          12 アルマーニ

● フランスの本性 設問
 これまでのフランスの印象は、必ずしも良いものではありませんでした。弱いということではなく、つまらないという意味です。
 例えば「個の能力は高いのに、華もなければ熱意も感じられません。なんか見ていてつまらないんですよね。」(6.16 vsオーストラリア戦の感想)とか、「ときどきカウンターを仕掛ける程度で、省エネに徹している」(6.21 ペルー戦感想)などと書きました。
 一方で、デンマーク戦では、双方引き分け狙いの凡戦ではあるものの、4−1−4−1の完成形のような戦術理解の高さを感じましたし、選手が4−1−4−1というシステムの歯車みたいでつまらないとも感じました。

 注目は、今回と並びが同じペルー戦。その気になればもっと点を取れそうなのに、得点は1点だけでした。
 おそらくいつでも点が取れるという自信があって、最小得点差で十分で、あとは省エネということのようです。

 では、その本性はどうなのか?
 その答が示されたのが、今日の試合です。

● 前半
 決勝でもおかしくない組合せ。内容も、トーナメントの初戦というのがもったいないほどの充実ぶりでした。

 相手の様子見の時間帯が終わり、そろそろ本気モードに切り変わろうかというときに、いきなりものすごいプレーが飛び出します。
 エムバペが、自陣PA前でアルゼンチンのパスをカット。そのままアルゼンチン・ゴール目がけて一気に高速ドリブルを始めます。
 その加速のすごいこと。あっという間にトップスピードに乗り、名手マスケラーノを何もさせずに置き去りにし、アルゼンチンのPA手前まで突進します。駆けっこで追い抜かれたロホが、たまらず倒してしまいました。ロホは何とかPAの手前でファール「したかった」のでしょうが、それすら間に合わず、PA内のファールになったのではないかな。
 それほど、エムバペのスピードはすごいものでした。
 PKはグリーズマンが落ち着いて決めます。

 アルゼンチンは珍しく、はっきりと焦っていました。恐らくエムバペのプレーに度肝を抜かれ、危機感を抱いたのでしょう。前方の5人が前掛かりになり、前後が間延びした布陣になります。
 その後もエムバペの高速カウンターなどのスーパープレーが見られ、これは一方的な試合になるのではないかと思われた終了直前、アルゼンチンに好機がやってきます。

 41分、左からのスローインの直後、フランスのDFラインの前に広大なスペースが出来ました。僕は「珍しく空いてて、危ないな」と思っていると、そこに入り込んだディマリアへパスが渡ります。ゴール正面でドフリーとなったディマリアは、余裕で2タッチしてから、ワンステップの踏み込みだけで、左足の豪快なミドルを打ちこみました。
 実はこのゾーンはカンテ、あるいはマチュイディ又はグリーズマンの受け持ちです。ところが、カンテはニアサイドのケア、グリーズマンはスローインの近くで守備をし、マチュイディはファーに立つメルカドをマークしていました。本来、メルカドの位置のマークは左SBのエルナンデスが受け持つゾーンですが、さらに大外にメッシが立っていて、エルナンデスはDFラインの一番外側で、メッシをチラチラ見ながらケアしていました。
 普通なら、メッシの位置の敵選手のマークなど切って、もっと危険なゾーンのケアをするのでしょうが、メッシだからこそフランス守備陣の判断が鈍ったといえそうです。
 こういう具合にじっくり見ると、このゴールはメッシの間接アシスト(?)によるものでした。

● 後半

 後半の立ち上がり、アルゼンチンが逆転します。
 3分、ディマリアが個人技で得た左FKの流れで、PA右角あたりにいたメッシの前へボールが転がります。メッシは時計回りに一回転してからシュート。マークするマチュイディの股を抜けたボールは、メルカドの足に当たり、コースが変わってゴールとなりました。

 逆転されてもフランスは焦りません。ペルー戦と同じように、自分たちはいつでも得点できるという自信が感じられるプレーぶりです。
 そして、その自信は過信ではなく、本物でした。

 12分、マチュイディの縦パスからエルナンデスが高速でライン際を突破して、エンドラインのギリギリ手前でダイレクトにマイナスの大きなクロスを入れます。ライナー性のボールはゴール前を横切り、大外を駆け上がったメルカドが、ダイレクトのボレー・シュートを放ちます。体を倒した見事なキックで、強烈な縦の逆回転のかかったボールが、ホップしながらゴールネットに突き刺さりました。
 この一連のプレーの速さとダイナミックさ、そしてシュートの浮き上がる弾道の美しさと迫力は特筆ものです。
 今大会のベストゴールの一つであることは間違いないですね。
 フランス、同点です。

 その7分後の19分。今度はエムバペが見せます。
 左からクロスが入り、ゴール前で何人もの選手がゴチャゴチャとした混戦の中、エムバペは右足のタッチ一つで密集を左に抜け出し、左足でシュート。
 擬音で表現すれば――ピッ、キュン、ツン、ズドン!
 正確なタッチ、修敏な動き、一瞬のスピード、安定した体幹――どれも地味ですが超一級品。サッカーをやったことがあれば、だれでも憧れるようなプレーです。
 ピッ、キュン、ツン、ズドン!――やりて〜 とか。
 これも今大会のベストゴールの一つに決定。
 フランスはあっという間に逆転しました。

 そして試合を決定づける追加点。
 アルゼンチンは既にロホ⇒ファシオ(後半開始)と交代していたのですが、ベレス⇒アグエロ(後21)と交代して、4−4−2のシステムに変更しました。ここをフランスに突かれます。
 23分、フランスのGKアルマーニからの高速カウンターです。
 速いパスが、カンテ⇒グリーズマン⇒マチュイディ⇒ジルーとつながり、最後はエムバペが右足で豪快に打ち込みました。
 この一連の流れのポイントは、それまでの4−1−4−1ではアンカーのマスケラーノがケアしていたゾーンをグリーズマンが利用したという点です。解説の戸田が感心していましたが、実に戦術的にクレバーなプレーでした。
 そしてパスの速さと正確性の見事なこと。その流れるような美しさ。
 これもベストゴールに加えるべきですね。

 フランスは11分間で逆転して試合を決めると、今度はペルー戦に似た慎重モードに入ります。
 一方のアルゼンチンは、バボン⇒メサ(30)と交代し、トップのイグアインを使わずに中盤を厚くする態勢で猛攻を仕掛けます。しかし、フランスの選手に動じる様子はありません。

 ロスタイム。ようやくメッシの意地の一撃が決まります。
 押し込む流れの中で、やや右寄りの下がったところに位置したメッシにパスが渡ります。メッシはフランスの第2列が寄せに来ない距離で左足のクロスを放ち、狙い澄ました正確な弾道がアグエロのヘッドに届きました。

 この後は、アルゼンチンの無用なラフプレーで選手が睨みあうような場面もあり、アルゼンチンの熱意は空回りしてゲームセット。

● 交代
 この大会からメッシが去ることになりました。マスケラーノも代表を引退するとのこと。ちょっと寂しいことです。
 マスコミは、メッシに代わってエムバペの時代だ、主役交代だみたいなことを書いてますが、どうかな。
 タイプが違います。
 どちらも得点能力が高いですが、メッシは人を使えるタイプ、エムバペは人に使われるタイプです。また、メッシはダッシュが短距離限定ですが、エムバペは長距離(といってもサッカーの長距離であって、60mほどですが)を一気にトップスピードで走ります。そしてどちらも器用で当たり負けも簡単にはしないのですが、相対的に見れば、メッシが器用で、エムバペが当たりに強い。
 エムバペは1998年生まれ。今後、どんな選手に成長するか、未知数ですね。

● フランスの本性 回答
 フランスの本性はどうなのか?

 答――フランスの実力は底なしに強い――です。

 ただし、これは実力という、ポテンシャルのこと。
 大会の結果となると、話は別です。
 優等生すぎるところもあって、もしも逆境になったとき、どれほどタフなところを見せてくれるのか?
 これが次なる興味となりました。

画像
リードされても、どこか余裕のデシャン。

 ⇒ その1 始まるよー!
 ⇒ その2 グループリーグの予想
 ⇒ その3 トーナメントの予想
 ⇒ その4 ロシアvsサウジアラビア
 ⇒ その5 エジプトvsウルグアイ
 ⇒ その6 モロッコvsイラン
 ⇒ その7 ポルトガルvsスペイン
 ⇒ その8 フランスvsオーストラリア
 ⇒ その9 アルゼンチンvsアイスランド
 ⇒ その10 ペルーvsデンマーク
 ⇒ その11 クロアチアvsナイジェリア (ちょっと待ってね)
 ⇒ その12 コスタリカvsセルビア
 ⇒ その13 ドイツvsメキシコ
 ⇒ その14 ブラジルvsスイス
 ⇒ その15 スウェーデンvs韓国
 ⇒ その16 ベルギーvsパナマ
 ⇒ その17 チュニジアvsイングランド (ちょっと待ってね)
 ⇒ その18 コロンビアvs日本
 ⇒ その19 ポーランドvsセネガル
 ⇒ その20 ロシアvsエジプト
 ⇒ その21 ポルトガルvsモロッコ
 ⇒ その22 ウルグアイvsサウジアラビア
 ⇒ その23 イランvsスペイン
 ⇒ その24 デンマークvsオーストラリア
 ⇒ その25 フランスvsペルー
 ⇒ その26 アルゼンチンvsクロアチア
 ⇒ その27 ブラジルvsコスタリカ
 ⇒ その28 ナイジェリアvsアイスランド
 ⇒ その29 セルビアvsスイス
 ⇒ その30 ベルギーvsチュニジア
 ⇒ その31 韓国vsメキシコ (ちょっと待ってね)
 ⇒ その32 ドイツvsスウェーデン
 ⇒ その33 イングランドvsパナマ
 ⇒ その34 日本vsセネガル
 ⇒ その35 ポーランドvsコロンビア
 ⇒ その36 ウルグアイvsロシア (ちょっと待ってね)
 ⇒ その37 サウジアラビアvsエジプト (ちょっと待ってね)
 ⇒ その38 イランvsポルトガル
 ⇒ その39 スペインvsモロッコ (ちょっと待ってね)
 ⇒ その40 デンマークvsフランス (ちょっと待ってね)
 ⇒ その41 オーストラリアvsペルー (ちょっと待ってね)
 ⇒ その42 ナイジェリアvsアルゼンチン
 ⇒ その43 アイスランドvsクロアチア (ちょっと待ってね)
 ⇒ その44 韓国vsドイツ
 ⇒ その45 メキシコvsスウェーデン (ちょっと待ってね)
 ⇒ その46 セルビアvsブラジル (ちょっと待ってね)
 ⇒ その47 スイスvsコスタリカ (ちょっと待ってね)
 ⇒ その48 日本vsポーランド
 ⇒ その49 セネガルvsコロンビア
 ⇒ その50 イングランドvsベルギー
 ⇒ その51 パナマvsチュニジア
 ⇒ その52 グループリーグの反省
 ⇒ その53 フランスvsアルゼンチン (今回の書き込みです)

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