映画の感想文 [1013] 直撃! 地獄拳

【直撃! 地獄拳】
製作:1974年
公開:1974年8月
監督:石井輝男
出演:千葉真一、佐藤允、郷鍈治、津川雅彦

===== あらすじ(途中まで) =====
 元警視総監の嵐山は、総監時代に摘発に失敗した麻薬密輸組織を壊滅するため、非合法に腕の立つ者を使うことにした。彼が集めたのは、元警視庁麻薬課第一課長で現在は殺し屋となった隼猛、甲賀流忍法宗家で私立探偵の甲賀龍一、そして元合気道師範の死刑囚桜一郎の三人だ。
 三人は手始めに嵐山の姪の恵美とともに麻薬の取引現場を抑えることに成功する。しかし、組織の日本支部総支配人水原は、さらなる大量の密輸を行うため、元ボクシングチャンピオンの西山ら、多くの用心棒を雇った。それに対抗するため、隼は後輩の空手家倉山田も仲間に引き入れることにした。

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===== 感想 =====

● 空手ブーム
 1973年に『燃えよドラゴン』(Enter the Dragon)が世界的に大ヒットし、米国でカンフー・ブームが起こった。日本では1971年から漫画『空手バカ一代』の影響で極真会館を中心とした空手ブームが始まっていたが、『燃えよドラゴン』以降、空手映画の量産に拍車がかかることになる。
 そうした流れの中で、本作『直撃! 地獄拳』は『殺人拳』シリーズに続くヒット作ということになるらしい。千葉真一や倉田保昭らの容姿やアクションの多くは『燃えよドラゴン』のパロディで、主演ブルース・リーを真似たもの。幸いにも本作は米国でも大ヒットし、米国人はカンフーと空手とが区別できないので(そうなのか?)、空手がブームになったとのこと。

● トンデモ
 現代の目から見れば、この映画の内容はトンデモだ。
 ストーリーはメタメタ。例えば、龍一はたった1万円もらっただけで危険な仕事をするし、西山は突然裏切るし、龍一と隼は仲間が死んでも気にしないみたい。
 セリフもギョギョギョと思わせるものがある。例えば、倉山田の死に際のセリフは車のローンの支払いの心配。
 演出上もエログロでナンセンスな場面が多い。例えば、隼は自分が殺した男の死体の横でセックスを始めるし、次に彼に殺される男の目玉はビヨンと飛び出すし、龍一は裸の女の股間を下から観察するし、何人もの敵の肩の上を歩いたりする。悪役の水原だって、麻薬の顧客をもてなすために妙なSMショーもどきを見せる。

 監督のやりたい放題。トンデモではあるものの、要所要所の見せどころはきちんとしていて、一種独特の懐の広さのようなものも感じられる。侮れないのだ。
 最近のテイストでは、井口昇や西村喜廣が近いかも。

● 豪華
 この映画のもう一つの魅力は、出演者が豪華なこと。

 主役の甲賀龍一は千葉真一。彼が米国でも有名人なのは、この映画のおかげということらしい。
 隼猛役は佐藤允。ほとんどアクションはせず、悪知恵を働かせ、龍一を口先で丸め込んでこき使う。フェッフェッフェッみたいな、腹黒そうな笑いが特徴的。
 桜役は郷鍈治。好色変態という性格で、龍一にいじられるお笑い担当。
 彼らのボスとなる嵐山役は、何と池部良。渋い!
 その姪の恵美役は中島ゆたか。元々エキゾチックで日本人離れした色気の女優さんだけど、この映画では一段と色っぽい。
 仲間の倉山田に倉田保昭。鍛え上げた体が見事。

 悪役だってすごいぞ。
 ラスボスの水原役は、な、な、何と、津川雅彦。若い!
 その部下に安岡力也。このころは、体が締まってたんだね。
 西山を演じるのは本物の元世界チャンピオン西城正三。動きの速さ、スウェーバックの見切り勘とバランス、ストレートの伸びなどが、やはり違う。
 さらに殺される親分に室田日出男。懐かしい。

 そして、とどめ。龍一の少年時代を演じるのは、な、な、何と、真田広之(クレジットは下沢広之)。可愛いです。

● お薦め
 こうした役者のうち、特に千葉真一と倉田保昭の空手アクションにどっぷりと魅了されるという映画。
 少年・真田広之の頑張りも必見だぞ。


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少年・真田広之

こちらも千葉真一
 ⇒ 激突! 殺人拳

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