映画の感想文 [1227] ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

【ゴジラ キング・オブ・モンスターズ】
原題:Godzilla: King of the Monsters
製作国:米国
製作年:2019年
日本公開:2019年5月
監督:Michael Dougherty(マイケル・ドハティ)
出演:Kyle Chandler(カイル・チャンドラー), Vera Farmiga(ヴェラ・ファーミガ), 渡辺謙

===== あらすじ(途中まで) =====
 ゴジラとムトーの戦いで息子を亡くしたエマは、怪獣対策を行う国際機関モナークで、怪獣との交信の研究を行っていた。雲南の基地でモスラの幼虫の孵化に立ち会い、音声による交信装置オルカでモスラのコントロールに成功するが、突如、侵入してきた一団に襲撃され、エマは娘マディソンとともに拉致されてしまった。
 エマの夫マークは、モナークの芹沢博士らに呼び戻されて、エマの行方を追うことになった。相手は環境テロリストのアラン達で、次は南極にあるモナークの施設を狙っているらしい。そこにはモンスター・ゼロと呼ばれる怪獣キングギドラが眠らされていた。
 アラン達とその思想に共鳴したエマは、世界各地のモナークの施設にいる怪獣を覚醒させることを計画していた。彼らは易々と南極の施設を制圧すると、キングギドラを眠りから蘇らせた。その場に到着したモナークの部隊はキングギドラに襲われ、全滅寸前に追い詰められてしまった。
 そのとき、これまで行方が分からなくなっていたゴジラが出現した。

===== 感想 =====

● 時代の変遷
 エマたちはラドンなど、世界各地の怪獣を蘇らせる。
 こうした設定で、昔の映画であれば、モスラがゴジラとラドンの仲介役となり、ゴジラ・モスラ・ラドン連合vsキングギドラの戦いとなり、その経緯についてザ・ピーナッツ(双子の小美人)が怪獣語の翻訳をする。
 今回は、
1 戦うのはゴジラ・モスラのチームvsキングギドラ・ラドンのチームという2対2のタッグマッチ
2 小美人による怪獣語の翻訳の代わりにオルカが音声で交信を行う
3 小美人の代わりにおばさんの中国人科学者が双子らしい
 といった変化を見ることができる。

 話の設定が、全体的にデジタル化され、年齢層も高くなっているのだ。
 時代の変遷を感じるところだな。

● 予算の限界
 怪獣たちは、ほぼCG。
 古典的な特撮手法としては、芹沢がゴジラの顔に触れるシーンがあるのだが、その時にギミックを使ったかどうかくらいだな。

 僕が気になるのは手法が何かということより、手法がどう使われたかというところ。
 今回はあまり感心しない。
 その理由の第一は、画面が暗いこと。おそらくCGを作るうえで経費と製作時間の節約のため、大幅に色を落としたのだろう。
 理由の第2は、都市の背景が少ないこと。おそらくCGを作るうえで経費と製作時間の節約のため、背景を南極の氷原や火山など、作画が容易なものにしたのだろう。

 しかし、ゴジラの映画の醍醐味の一つは、最近話題の都市施設などの人工構造物が破壊され、最先端の乗り物が吹き飛び、最強兵器が叩き壊されるという、豪快なシーン。
 いまどきは、夜景ならアゼルバイジャンのバクー、乗り物なら図体がでかいだけの豪華客船がターゲットだな。そもそもが宇宙怪獣のキングギドラなら軍事衛星すらもバタバタと落とせるんじゃないか。
 こういうシーンが見たかったけど、まずはCGと予算ありきでは、無理な企画なのかもね。

● 人間魚雷の計器盤
 今回の映画で一番気になったシーンは、芹沢博士が潜水艇を操縦するところ。

 実は芹沢博士は、眼鏡を掛けたり外したりする芝居が、キャラ設定上のお約束らしいのだが、演じるのが渡辺健なので、いまどきの日本人ならどうしてもあのCMを思い出すよなあ……。
 そして芹沢は一人乗りの潜水艇に乗り込む。これは実は生きては帰れない行動なので、本気で前(さき)の戦争を反省する日本人なら、必ず人間魚雷「回天」を思い出すよなあ……。
 この時、芹沢は眼鏡を掛けずにフルフェイスのヘルメットをかぶってる。その様子は、映像的にちょっと不格好。
 不謹慎ではあるのだけれど、「(潜水艇の計器盤の)文字が小さくて読めなーい!」とわめく姿を想像してしまった。

● 並
 ゴジラが怪獣の王として、多くの怪獣をひざまずかせる。
 怪獣を擬人化し、あたかも人間社会のアナロジーとして見せているわけで、かつての東宝の怪獣映画の王道のような場面だな。ゴジラがアベに見えるか、とらんぷに見えるか、キンペーに見えるか、ぷーちんに見えるか、人様々だ。でも、今どきの若い人は社会的な批判精神が乏しいので(社会への短絡的な文句や貶し(けなし)は多いけどね)、【上から目線のゴジラ】なんて大嫌いではないかな。
 かつての東宝のゴジラを楽しんだ人にはお薦めしたいけど、若い人には無理かもね。


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